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2025年8月アーカイブ

タイトル「穿通&拡大をスムーズに行うには」

9月21日 中部歯内療法学会

ウインク愛知901号室 9時30分受付開始 10時スタート

  

11:00~11:50 特別講演①

演題「穿通&拡大操作をスムーズに行うには」

井野泰伸

 

昨日からスライドスタートさせました。

2025 E.jpg

知立研修センターでやっていたものをベースにしようと思い。

スライドを見返すと、ちょっと内容がエンド好きじゃないと難しかったのかな!?

と思う所があり、

内容をもう少し簡単にして、動画を何本か付け加えるように加筆していきます。

   

知立でセミナーを受けて頂き穿通のやり方をマスター出来た先生にはあまり収穫ないかもしれませんが、

後半にMB2 ニッケルチタン穿通/拡大法のやり方というか動画を付け加えます。

興味のある方は中部歯内療法学会に問い合わせてみてください。

協力団体の学術大会・セミナー:学術大会・セミナー:日本歯内療法学会

 

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顕微鏡治療の宿命 ミラーの廃棄

廃棄用というか、他の先生にあげるミラートップの山 

mira.jpg 

だいたいこれで半年分ぐらい。

 

歯科用のミラーは色々な種類があり、EEデンタルは歯科の中でも表面反射率の良い

「タンタルコーティング」などのミラーを使っています。

*反射率が良いとミラーが明るく見えますが、その分高くなります。 

 

このミラーは非常に明るく見えるので、オレンジフィルターを使わなくても顕微鏡の光量を40%ぐらいにしてレジン充填出来ます。

ただ、欠点があり超音波や音波器具がミラー表面に当たるとすぐに傷が入ります、また長く使っているとミラー表面に微細な傷が入ると見にくくなります。

 

特にEEデンタル開口量の少ない女性患者さんが多いので、すぐにダメにしてしまうこともしばしば・・・

これはある程度仕方がないと割りきっています。

  

因みに一般的なミラートップは1個50~100円

私の使っているミラートップは安い物で1つ200円 高い価格のもので800円 更に高いものは2800円( ←あまり最近使っていません)

 

使わなくなったものは知り合いの先生にプレゼントします。 

数年前、同級生の先生に傷の入ったミラーを渡すと、

「いいの!?井野 これ殆ど新品じゃない!?」

【いや、これ傷が入っているのよ・・・】

「どこ!?」

【これ!】

「これでダメなの!?」 

【使おうとすれば使えるけど、見にくいものは治療の質が落ちるから使わない】

「ホントにいいのこんなに!? 次もどんどん持ってきていいよ(笑)」

 

というやり取りが以前ありました。

 

裸眼では1mmのミラーの傷などは全く関係なく見えます。

私も視診(裸眼)用のミラー&頬を押さえるミラーは顕微鏡治療で傷が入ったものを使っています。

(このような使い方をするミラーは数年に1回替える程度です)

顕微鏡を使わない範囲でわざわざ傷なしミラーはつかいません(笑)

 

いつも思うのは豊橋市の検診(1歳半、3歳児検診)

ミラーが10年以上使っているような感じで傷の面積がかなり大きい(傷が点や線ではなく面で見えない部分がある) 

これ、寄付させてもらおうかな^^;

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歳を取ると歯は折れる

極論からですが、「歯は消耗品です」

体も老化して行くように、歯も確実に劣化していきます。

歯だけが10代、20代のような状態を保てるわけではありません。

 

以前もブログにしていますが、

歯は消耗品、歳を取ると折れる理由 - EE DENTAL_Blog

ここ最近多いのが神経のある歯の破折

どんなに虫歯がない人でも避けれないのが「力」の問題 

歯も使っていれば疲労が貯まり、問題を起こします。

 

この力で起こるのは

①歯がすり減る ⇒経年変化と考えそのまま

②歯茎が下がる ⇒凍みる場合は凍み止め、審美的に気になれば歯肉移植、気にしなければ経過観察

③歯が部分的にかける ⇒研磨、経過観察

④歯が折れる ⇒ ステージにより保存(神経を保存するor神経を取る)後手になると抜歯

 

EEデンタルの患者さんは40歳代以上の方が多いのでやはり破折はよく見ます。

特に多くなるのが50代以降

 

ただ折れるケースというのはある程度法則があり、

大きく分けると「水平破折」と「垂直破折」

神経のある前歯でも極稀に折れますが、折れる歯は決まって上顎前歯、破折方向は水平方向となり歯の保存ができる場合が殆どです。

IMG_7274.jpg 

 

咬む力がかかる奥歯でよく見られ垂直方向(根の方に進む)にクラックが見られます、 

また奥歯は下顎の第二大臼歯、第一大臼歯が殆どです。

この破折が起こるものほぼほぼ患者さんのかみ合わせ、細かく言うと歯ぎしりをした時のガイド(擦れる歯)

犬歯誘導がある方などはこの奥歯の破折は殆ど起こりません。

起こる方は八重歯などで犬歯が仕事をしておらず奥歯にガイドがあり、下顎大臼歯の舌側咬頭内斜面にガイドが出てくる人

例えば先日来院された50代女性

舌で触ると段差を感じるということで来院

DSC05369.jpg  

左下7の遠心面にクラックが入っており、クラックも開き始め黒い沈着物が見られます。

ガイドを調べてみると 

2025 EEdental OMI.jpg 

遠心舌側咬頭内斜面にガイドがあります・・・ 

歯ぎしりした時にここが擦れる人は要注意、だいたい折れてきます。。。 

  

このように歯にクラックが入ってくると、咬んだ時だけ痛いという症状が現れます。

このサイン、予兆を逃すと神経が死んできてしまい予後が極端に悪くなります。 

神経が生きていれば、私は大きく削ってクラウンを被せてしまいます。

2025 EEdental IZY.jpg

最近、温故知新というか原点回帰でゴールドクラウンを勧めることが多くなりました。

 

やっぱり最近の材料はダメとは言いませんが、個人的にはあまり勧めたくないですね。。。(>。<)

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世界共通事案

先日治療させて頂いたドイツの患者さん

海外の患者さんからすると治療費安い!? - EE DENTAL_Blog

 

帰国後、私が指摘していた不適合セラミックインレーが外れてしまい

ドイツの歯科医院で治療を行ったが、予後がよろしくないということ。

 

日本への一時帰国があるのでその際に見て欲しいとのことで来院

 

現在の症状はフロスが入らない、硬い物が当たると響く など

治療したドイツの先生はレントゲンも撮らずいきなり詰めたとのこと

口腔内

2025 EEdental TA (1).jpg

メタルマトリックスでも使ったかな!?という

詰め物が歯の形になっていない感じ

 

患者さんに一度詰め物をやり替えた方がいいと説明し

レジン充填を行いました。

2025 EEdental TA (2).jpg

レジンの下には特に虫歯などはなく、元々入っていたセラミックの適合が悪かった為

セメント層が劣化して取れたと推測できます。

手間のセラミックインレーも段差があり、歯の形も少し「?」という感じでしたが

とりあえず主訴の歯の第2小臼歯だけ治療させてもらいました。

 

はっきり言ってしまえば、歯科治療はどこの国で受けても同じで治療する先生次第です。 

 

日本の場合、世界トップレベルのクリーンな環境で世界一安い治療費で治療を受けられています。

ただ、こういった事を患者さんは知らないので千円の治療でもクレームの出ることもありますが、

正直今の時代数千円で現代治療が受けられる国などないのですから、ホント日本人は恵まれていると思います。

ただ、どこまでこの国民皆保険が続けられるのか非常に疑問ですが・・・

 

 

 

 

 

 

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使えるまで使う歯科治療

 患者さんは50代女性

銀歯を入れた歯から臭いが出てくる感じがあり根管治療をしたが治らず

現在2回目の根管治療中 

転院先でCTを撮ると、折れているかもしれないと言われた。

 

レントゲン 

2025 EEdentalFUM (1).jpg

レントゲン的に、はやり折れている可能性が高い。

また口蓋根には根尖病変が見られます。 

 

患者さんに歯を残す為には根管治療+分割抜歯(トライセクション)を行う必要があると説明

 

患者さんの了解を頂き、1回法にて根管治療+レジンコア+分割抜歯(2時間)

2025 EEdentalFUM (2).jpg

やはり歯根破折でした。

顕微鏡で見ると破折線はすぐに分かったのですが、基本的に破折線は非常に細い為

明るいライトの元、拡大視野で見ないと判断できません。。。

 

1回目の治療から1か月後に来てもらい仮歯をセット

  

そこから1年後

2025 EEdentalFUM (3).jpg

患者さんも問題無く咬めており非常に感謝されました。

 

歯の治療はリペアの類ではありますが、きちんと治療をすればしばらくは使えることがあります。

今回のようなトライセクション(3本のうち1本を抜く)は意外と長持ちする歯が多い印象があります。

 

この先20年持つか!?と言われれば、患者さんの使い方次第でになってしまう面はあります。 

 

先週の患者さんなどは前医が起こした大きなパフォレーションがあり、

全く腫れや痛みも無かった為、私的には問題が出たら外科的介入しましょうと患者さんに話していたのですが、久しぶりに来院された際に見せてもらうと今のかかるつけ先生に膿んでいるからと抜歯されていました。

 

外科処置すれば保存出来たのに・・・と心の中では思ったのですが、それは今のかかりつけの先生と患者さんが出した方針なので仕方がありません。

同じ歯を見ても残すという治療オプションを持った歯科医師と抜歯しかないと判断する歯科医師

誰に治療してもらうかでも大きな差は出てしまいます。

(極端に言えば1本抜けばその負担は隣の歯に行くので隣の歯の寿命は短くなります) 

 

歯科医師の傾向として、インプラントという治療選択肢を持っている先生の方が抜歯介入が早い傾向はあります。

(これは骨が良い条件の時に抜いてインプラントした方が予後が良いという面もあります)

 

今回のケースも何年持ってくれるでしょう。 

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根管治療時間を短縮する為には

今日から8月

そろそろスライドを作り始めないとなと思いつつ、動画の方の素材も準備しています。

9月21日【中部歯内療法学会】 - EE DENTAL_Blog 

  

今回のケース

患者さんは40代女性 

普通の時は痛くないが、咬むと痛かった歯がかけてきた。

レントゲン

2025 EEdental NIM (1).jpg

発見の遅れやすいコンタクトカリエスから虫歯が大きく広がってしまったケース

縁下(歯茎の下)深い場所まで虫歯が進行しています。

 

レントゲン上では虫歯が神経まで達しており、根管治療を行い歯の保存を行うことにしました。

 

こういった歯茎の中まで進行した歯の治療難度は高く予後は悪いです。 

よく見るケースは封鎖が出来ておらず根管治療を行い、何度も何度も半年以上治療して治らないと転院されてくる方もいます。

 

今回のケースも毎度変わらず歯肉をトリミングして、縁下から段差隙間のないように隔壁

歯肉弁根尖側移動術しないで縁下からレジンで立ち上げて大乗なのか!? - EE DENTAL_Blog

 

麻酔を行い、う蝕検知液を用いて虫歯をしっかり取り、隔壁終わるまでに40分

そこから5分休憩を挟み、患者さんにはラバーダムして「1時間頑張ってね、痛くなかったら寝ててもいいですよ」と説明

 

一般的に上顎第一大臼歯は4根管のことが多く、

①4本の神経管を見つける

②根の先まで神経管を探る

③細い神経管を少し太く削る

④消毒剤で洗浄

⑤ガッタパーチャーを詰める

⑥接着処理をしてレジンコアを作る

を1時間以内で行いたい。

 

そんな時間で出来るの!?と思われると思いますが、大臼歯の抜去歯であれば30分もあれば根管充填までは可能です。

口腔内になると開口量の問題から作業スペースが小さくなるので余計に時間がかかります。

後、患者さんの場合は抜去歯と異なりエラーがないように各ステップ慎重に行う分時間が多少かかります。

  

で、今回のケース

2025 EEdental NIM (2).jpg

ラバーダム後、根管治療+レジンコアまでで50分でした。

一応MB2も処理しています。

(患者さんが診療室に入り、簡単な説明から始まり、麻酔、虫歯除去、隔壁、ラバーダム、根管治療、コア、術後レントゲン、術後説明までして1時間45分の診療時間となります) 

根管治療を素早く終わらせるコツは、穿通操作をいかに早く正確に行うか!?

これに尽きますね!( ・ д ・)

 

次回、仮歯を入れ咬めるようにして行きます。

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お休みのお知らせ

8月通常の休み(日・月・木曜日)の他に

8月4日(火曜日)

8月16日(土曜日)

お休みを頂きます。

 

また、9月・10月は

9月12日(歯内療法学会の委員会の為)

10月12日~20日まで(秋休み)

を休ませて頂きます。

 

よろしくお願いいたします。

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