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必要最小限の医療介入

今回の患者さんは40代男性

私が14年前にゴールドアンレーを入れさせてもらったのですが、

数年前に歯がかけてしまい症状もなかった為にそのまま放置・・・

 

したのですが、

左上4が大きくかけてしまい14年ぶりにEEデンタルへ

話を聞くと14年ぶりの歯科医院とのこと(笑)

 

レントゲン

2024 EEdental IA (1).jpg

 ゴールドアンレーの下には虫歯は無さそう。

 

患者さんにはかけた所から中に虫歯はあるが、前にやったゴールドを外して治療しようとするとクラウンになる可能性があることを説明

患者さんに、「かけた所から必要最低限の切削でレジンを詰め、レジンがすぐに外れるようなら咬み合わせ的に材料が合っていないからその場合はクラウンにするか!?」

と提案

  

患者さんもなるべく削らない方向でとのことでしたので、レジン修復を行うことに

その時の治療動画

 

術後レントゲン

2024 EEdental IA (2).jpg

段差なく綺麗に充填できたと思います。 

 

患者さんにも、術後に「最小限の治療で済ませてもらい感謝します」と言われましたが、

こういった小さな処置に価値を感じてくれる患者さんにこちらこそ感謝です(笑)

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10年ぶりに歯科医院へ

患者さんは10年前にブログにさせて頂いた患者さん

酸蝕症患者さんの前歯の審美治療(レジン) - EE DENTAL_Blog

2024 EEdental FUE (1).jpg 

前歯が少し削れてきたとのことで来院

話を聞くと、EEデンタルで治療を受けてから歯科医院に行っていないとのこと

  

ただ、口の中を見せてもらうと非常に綺麗!

虫歯や歯肉炎などもなく、普段からかなり綺麗に歯磨きが出来ていると推測できます。

 

肝心の治した部分のレジン

2024 EEdental FUE (2).jpg

全く問題無く見えます。

象牙質の接着がここまで上手く行っているのは驚きです。(奇跡!?) 

患者さんは歯ぎしりがあり、下顎の切端などもすり減ってはいますが、まぁ年相応と判断

またこの部分にレジンを詰めてもすぐに取れるし、一度触ると治療の繰り返しになる可能性が高いので治療はしない方がいいと説明

 

今回は全顎検査を行いましたが、特に虫歯などの悪い所見は無かったのでホームホワイトニングだけやることになりました。

*10年歯科医院に行っていなくて悪い所ゼロというのも奇跡!

 

たぶん酸蝕症の治療は開業以来2~3ケースぐらいしかしていませんが、このケースは上手く行っているケースですね!( ・ω・)ノ

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開業して行った根管治療のやり直し

歯内療法専門医の抜髄の成功率 おおよそ90% 

今の1つの基準は術後4年後の成否で成功率を出します。

  

ただ、口の中は細菌まみれで毎日使っていれば力も加わり悪くなってきますので

はっきり言ってしまえば、成功率というのは年々下がっていくもので、4年後に問題無い歯が一生安泰とはなりません。

 

また、私のような開業医は実際4年後まで予後を追うことはほぼほぼ不可能で、

自分なりの成功率も出したいのですが、患者さんの負担なしにデーターを取ることができません。

*根管治療後に膿や症状が落ち着き、半年後のレントゲンで治癒傾向が出てくると4~5割ぐらいの患者さんは安心したのか1年予後のレントゲンは無料でも撮りに来てくれません。。。

 

患者さん心理として、忙しいんだからわざわざ治った歯の為にレントゲンを撮りに行く時間を割けないといもの重々承知です。

 

ですので、開業医できちんと成功率を出せるのはかなりハードルが高い!

  

  

今回のケースは開業してすぐの2008年に抜髄をさせて頂いたケース

患者さんは50代女性

2024 EEdental OKA (1).jpg

私が抜髄を行った右下6

*この当時アナログのレントゲンで2008年からデジタルに移行したため2009年の1年予後のレントゲン

  

2021年に全顎検査をさせてもらった際のレントゲンで「あれ、根尖病変 or 歯根破折!?」的な所見が出てきてしまいました。

幸い症状はなかったので、患者さんにそのことを説明し少し様子をみることに。

 

ただ、悪い予感というのは大体当たるもので、2024年に入り痛みが出た後に歯茎から膿が出てきてしまいました。

そうなってしまったので、再根管治療を行うことにしました。

2024 EEdental OKA (2).jpg 

根尖病変は少し大きくなってきています。

 

 治療回数は2回で根管充填+レジンコア+仮歯まで

2024 EEdental OKA (3).jpg

自分のやった根管治療(抜髄)で再治療するのは久しぶりなのですが、過去の治療のどこが悪かったのか!?を見ることができ経験値が積めます。

  

術後6ヵ月後

2024 EEdental OKA (4).jpg

腫れや痛みなどの症状もなく骨も出来てくれており一安心!

  

 

昔と比べて、根管治療は殆どコンセプト、内容に関して替えていませんが、

昔と変えた所は、レジンコアのスタートの位置(根管口よりだいたい2mmしたぐらいから接着に頼ります)、後はレジンコア材料の変更(ディアルキュアはダメだと実感)などあります。

 

一般的にはレジンコアにはディアルキュア(光・化学重合型)が用いられますが、

これって1回で詰めるのでレジンの収縮による浮きが存在してしまい、その隙間から唾液感染があるんじゃないか!?と思い、ディアルキュア系のコア用レジンは使わなくなりました。

*海外の先生も同じようなこと言っていた先生がいましたが、光重合型レジンに比べディアルキュア型レジンが優れていれば、世の中の商品の殆どがディアルキュア型になると思いますが実際はそうではありません。

 

何度か過去の自分の行ったディアルキュア系レジン外しましたが、たまに浮いたような超微妙な隙間を見てしまい、こういう考え方になりました。

以前のセミナーでもお話しましたが、今は充填用のフロアブルレジンを12~15回ぐらいに分けて積層し、レジンの収縮の補正をしています。

(1回で詰めていたものを、15回に分けるので手間といえば手間ですがそこはこだわるポイントかなと思います。)

 

ちょうどYouTubeに上げた動画があったので、

昔の土台の作り方

  

最近のレジンコア(覚えていませんが10年前ぐらいからディアルキュア系レジンは使っていません)

手間も時間も材料費もかかりますが、長期成功を目指すには必須かなと今の自分は思っています。

  

変わっていないようで、毎日少しずつ感じたエッセンスを取り入れ替えています。

「変わらない為に変わり続ける」語源は誰が言ったか知りませんが、結局先人が説いた言葉が真理なんだろうなと思います。

  

今回のケース何とか病変が治ってくれて一安心!(p・Д・;)

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根管治療に必修の縁下(歯茎下)からの隔壁

昨日からの動画の続きになります。 

金属アレルギー治療の為のメタルコア除去 - EE DENTAL_Blog

 

メタルコアを外すと、舌側縁下深い場所まで歯がなく患者さん(先生)に聞くと

どうやら過去に歯冠破折を起こし抜髄に至ったとのこと。

ですから歯が折れて無くなった部分を何かで補修する必要があります。

 

私の場合、電気メスとレジンで壁を作ることが殆どでこの操作をしておくと、

根幹治療中にも唾液&細菌の侵入をある程度防げます。

 

今回は隔壁メイン動画になります。

一応、レジンも専門なのでレジンを使った隔壁にもかなりこだわりがあります! 

その動画 

虫歯、セメント除去、電気メスで歯肉のトリミング、フロアブルを用いた隔壁(OA3)、ラバーダム、感染根管治療、根管充填、レジンコア

  

 

沖縄からわざわざ来て頂いていたので、2時間半もらい1回でレジンコアまで仕上げました!

レントゲン 

2024 EEdental MIE1.jpg 

患者さん的には2時間半 「長っ!」と思われると思いますが、

歯科医師の先生からすると「早っ!」となります(笑)

 

先日も左上4の根管治療を受けてもらった先生に「メチャクチャ早いですね!」と言われましたが、

個人的に、治療はミスなく必要な時に必要な道具をケチらずに使う というスタンスです。

  

はっきり言って、自費治療なので1,000円、2,000円程度の材料代は無視していいコストなので、

効率が悪くなった瞬間に新しい材料はバンバン使い時間を短縮します。(時間を買う)

*保険診療と自費診療の差はこういった所にも出ます。

  

 

この後、セラミッククラウンまで作成させて頂きました。

 

わざわざ、沖縄から通院お疲れさまでした(・∀・)ノ

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金属アレルギー治療の為のメタルコア除去

患者さんは沖縄から来院されたM先生

 

M先生は過去に全顎治療をさせてもらったのですが、

右下7のフルジルコニアクラウンが取れてしまい、その後金属アレルギーのような症状が手に出てきてしまったようで、メタルコアを外したいとのこと。

 

メタルコアを外して、根管治療を行いセラミッククラウンまで治療させてもらいました。

 

メタルコアを外すと、多少金属アレルギーの症状が落ち着いてきたとのこと

奥歯のメタルコアを外す際、この時が大きく自分の歯が無くなります。

先日書いたブログ:大きな根尖病変は治ったのだが歯が折れた... 再び保存治療! - EE DENTAL_Blog

*フェルールはなるべく残しましょう! 

 

自分も顕微鏡を使っていなかった時代だと、たぶんパーフォレーションさせていたかも・・・ 

奥歯の長いメタルポストは除去する際に歯の寿命を縮めてしまうリスクも大きので注意してください!

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4ヵ月前から根管治療を始めたが痛みが取れない

患者さんは40代女性 

2本の歯を診て欲しいとのこと

レントゲン 

2024 EEdental AFU (1).jpg

黄色の矢印:右下7 

10年前に根管治療を行った歯が痛む 歯茎を押すと膿が出てくる  

方針:かなりの確率で歯根破折で抜歯になると思われる。

 

ピンクの矢印:右下5 

痛みが出てしまい、4ヵ月前から根管治療をスタートしているが痛い。

特に朝に痛みが増す、歯の奥の方(根の方)が痛い。

担当の先生は外科処置(歯根端切除術)を行い治す必要があると言われた。

方針:まずはきちんと隔壁など作り、唾液・細菌が入らない環境を作って根管治療を行い痛みが取れるかみた方がいい。 経験上、外科処置を行っても痛みが改善する可能性はかなり低い。

  

主訴は2本でしたが、とりあえず右下5だけ治療することに

 

1回目の治療で行ったのは歯茎の中の虫歯を取り、その部分からレジンで隔壁を作り歯の中を徹底的に消毒

*4ヵ月以上根管治療をしているので、必要十分量歯の中は削ってあり、根の先(根尖)は大きく破壊されていました。

 

1か月後の治療2回目(歯は触らず、ヒアリングのみ)

根の先に一定の痛みを感じるが痛み自体は強くはない。

朝になると歯の浮いたような感じで痛いのは続いている。

 

1週間後の治療3回目

奥の方が痛かったのは無くなったが、朝に痛みを感じる。

ラバーダムをして歯の中を見るが膿などの悪い所見などはない。

方針:歯の中は特にやることがないので、もう1ヵ月このまま生活してもらい症状が落ち着いていれば、次回根管充填+レジンコアまで入れ様子をみる

 

1か月後の治療4回目

1ヵ月の間に2回大きな痛みがあった、今は痛みはなくなりすっきりしている。

というこで、MTAにて根管充填(根の先が破壊されていた為) 

2024 EEdental AFU (2).jpg

根管充填後に土台まで入れ、1ヵ月経過をみてもらい

今回のケースは、根管充填から1か月後に仮歯を入れ咬めるようにして行きます。

 

術後6ヵ月 

2024 EEdental AFU (3).jpg

痛みや腫れもなく、特に悪い感じはない

かかりつけの先生にクラウンを入れてもらうように説明 

  

治療後1年

2024 EEdental AFU (4).jpg

痛みや腫れもなく普通に咬めるとのこと

  

OK、OK、特に問題も無さそうなので終診

 

 

今回のように、根管治療に行き詰まると外科で何とかしようとする先生がおれますが、

これは完全な間違い! 外科をしても症状を悪化させてしまうのがオチです。

まずはベーシックな部分を抑えた普通の根管治療を行うべきです。

 

長く続く痛みの多くは、細菌感染を止めれていないことより始まります。

また、痛みが数カ月続いていたようなケースだと、その痛みを取るのにも数カ月かかります。

 

今回のように残っている歯質が少ないような場合は、どうしても歯の中に細菌が入りやすいので

きちんと隔壁からすべきなんですが、保険治療ではこの手間のかかる隔壁に点数(治療費)が付いていない為、赤字の根管治療になってしまいますが。。。

今回のような隔壁なく根管治療をしているのは、雨漏りしている屋根なのに廊下の雑巾がけを永遠にしているようなものでいつまで経っても床は濡れ汚れたままです。

 

今、世界的にみて、1万円以下で根管治療が受けれる国など殆どないと思いますが、やはり安い分手間をかけれないもどかしい部分も保険の先生にはあると思います。

 

こういった現状を患者さんに知って頂き、どうしても歯を残したいという方はその部分だけ歯内療法専門医にかかるのも1つかと思います。

*ただ、歯内療法専門医でも保険治療では出来る内容に限りはあります。

 

今回のケース、非原性歯痛ではなく痛みが取れてくれて良かったです(^。^)

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今日は午後お休みにします。

新幹線・電車などの計画運休が発表されており、

午後の患者さんが全員キャンセルとなった為

今日の午後からお休みさせて頂きます。

 

今週は台風の影響でキャンセルが多かったですが、改めて電車で遠方から来て頂いている人が大半だなと気づかされました。

こういった時は無理をしないようにしてください。

キャンセルされた患者さんにつきましては、改めて予約を取りなおさせて頂きます。

 

ホント遠方から来院して頂きありがとうございます。

歯科医師冥利に尽きるなと感じます。 

 

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大きな根尖病変は治ったのだが歯が折れた... 再び保存治療!

以前ブログにさせてもらった患者さん

外科的歯内療法を併用した歯の治療 - EE DENTAL_Blog 

2024 EEdental MAM (1).jpg

大きな病変があり、近医の先生から膿が止らないとのことで紹介を受けました。

 

根管治療だけでは膿は止まらず、外科的歯内療法を行い歯の保存を行いました。

2024 EEdental MAM (2).jpg

 

1年後綺麗に治ったので、かかりつけの先生の歯科医院に戻って頂きクラウンを入れてもらいました。

2024 EEdental MAM (3).jpg

 1年でかなり綺麗に骨が出来ています。

 

ところが。。。

 

先日、歯が折れかかりつけの先生に診てもらった所

EEデンタルで相談した方がいいとのことで、再来院 

2024 EEdental MAM (4).jpg

診せてもらうと、  

ファイバーコアを入れていたのですが、それがぽっきり折れてました。

 

患者さんに聞くと、「パン食べていたら折れた」とのこと

やはりフェルール(歯茎の上の健康な歯がないもの)の無い歯は弱い!

  

たまにあるのですが、患者さんはパンは柔らかいイメージがありますが、歯科の世界ではパンは固い食品に入ります。(特にショクパンのみみ、ハード系のパン)

ファイバーコアと言っても、レジンコアより少し強いぐらいで無理させると折れます。。。 

 

歯の強度に関係するフェルール 

非常に大切な部分なのですが、これを失う理由は、「歯科医師の治療・・・」

*だから頻繁に治療を受けてはダメ!なんです。

 

特に大きくフェルールを失うのは、再治療の際の土台の除去

 

個人的には根管治療後クラウンまで担当させてもらうことが多いので、根管治療を行う際にはこの部分は何としても保存させたいと思っています。

色々な道具を駆使して残っているフェルールを死守します。

 

根尖病変(膿)を治した後のことまで考えておかないと長くは使えません。

 

 

今回のファイバーコアが折れてきてしまった歯、せっかく保存出来たのに歯を抜くか!?

   

患者さんにはまた、もう1回ファイバーコア作って歯を保存させる提案をしました、

ただし、また同じように咬むと折れると思うから見た目だけ!の歯になる感じ

食事の際に物を噛み千切る際にはずらしてこの歯を使わなければ残せますが!?と説明し

 

もう一度ファイバーコアを作り直しました。

一応3年の保障期間中だったので、土台に関しての費用は0円、仮歯代を5,500円頂きました。

*この他、再初診代11,000円がかかりますが、以前ブログにさせて頂いたので初診代は0円 となります。

**クラウンは私は作っていないので、またかかりつけの先生に作ってもらいます。

  

今回のケース本歯はすぐには作らず、半年後にレントゲンを撮って経過をみてから本歯の検討となりました。

 

経験上、前歯はフェルールのない歯で物を噛み千切ろうとするとたまにファイバーコアが折れます。

患者さんの分からない、見えない部分の歯質の残存量というのは歯の長期保存にとって非常に重要です。

根管治療をやり治す度に健康な歯質は大きく失われるので、神経治療はなるべく1回目の治療(抜髄)をきちんと受けるべきです。

 

逆に奥歯はフェルールなど無くても、殆ど土台が折れてくることは殆どありません。

もし前歯の神経を取って、2回根管治療を受けていればその歯では積極的に硬い物は咬まない方がいいですからね!

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抜歯適応!? 今回は抜かずに使えるまで使う!?

ここ10年以上、ホームページやブログのアクセス解析など見ていないのでアクセス数も分からず

好き勝手書いていますが、意外とブログは読まれているということに気が付きました。

(メールでGRヤリスブログ読んでいますとか(笑)) 

  

後患者さんの中にはかなりブログ読みこまれている人もおり

「それブログに書いてありました!」など

このブログを読まれている方は

説明が少なくて済んでおり楽させてもらっております。

 

ですので今更このようなネタを書かなくてもいいかもしれませんが、一応

  

患者さんは、歯科と言えば全て同じ基準でどこの歯科医院でも同じような治療が受けられると思っている方がおられますが、これは全然違います。

1つ例を上げれば、「歯を抜く判断」これは先生毎に大きく違いがあり、A先生が抜歯と判断した歯でもB先生は保存できると判断することがあります。

今回はその一例

患者さんは40代女性

一度全体的に診てもらいたいとのことで来院

 

左下のレントゲンを撮ると、親知らずが横向きに生えておりその影響からか歯茎の下に大きな虫歯。。。

2024 EEdental MYO (1).jpg

過去に一度神経を取る治療をされたそうなのですが、小さな女性で開口量も少なく、治療の難易度が高すぎる為、先生も出来る範囲での治療となったのでしょう(推測)

   

レントゲンを見て多分70~80%ぐらいの歯科医師は抜いた方がよいと判断するのではないでしょうか!?

ただ、個人的には縁下の虫歯は難しいですが保存出来ると思っているので

「使えるまで使いますか!?」

みたいな感じで残す治療を勧めることがあります。

   

根管治療を行い

2024 EEdental MYO (2).jpg

 この状況だと、クラウンにしてもレジンで詰めてもさほど寿命に差は出ないだろうと、レジン充填で補綴しました。

  

しばらく経過を診て

術後1年

2024 EEdental MYO (3).jpg

 

術後2年

2年予後まで見て腫れや痛みもなく、問題なさそうなので終了! 

  

 

先日来院されたので、どうなっているかレントゲンを撮らせてもらいました。

 2024 EEdental MYO (4).jpg 

12年前と殆ど同じ状態だったので、一安心。

 

私見ですが、歯の治療は難易度の高いケースほど拡大視野(顕微鏡)というのは必須だと思います。  

このような歯茎の中の問題は顕微鏡がないと、手探りの盲目的な治療になるので問題が起こりやすいです。

繰り返しになりますが、

抜く判断というのは先生毎に違いがあり、A先生が抜歯と判断した歯でもB先生は保存できると判断することがあります。

特にインプラントよりの先生は骨があるうちに抜歯して、良い環境でインプラント入れたいという気持ちも分かりますが、個人的には自分の歯に勝るものはないと思っているので、残せそうなら歯の保存を行います。

 

 

私の基準は折れている歯、歯周病でぐらつく歯に関しては私は抜歯と判断することが多いです。

 

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吸収するMTAセメント  歯根吸収ケース

患者さんは40代女性

左上奥歯の違和感が続くとのことでレントゲンを撮らせてもらいました。

2024 EEdental MY (1).jpg 

左上7の奥に左上8(親知らず)が埋まっており、その部分に深い歯周ポケットがありました。 

治療の難しい近心頬側根も手づかずのような状況

  

患者さんの話などを聞き、まず左上7を治療してみましょうと説明し治療スタート  

 

治療を開始すると親知らずの影響で左上7遠心頬側根側面に歯根吸収があり

その部分から歯の中に不良肉芽が入り込んできていました。。。

1回目の治療で不良肉芽を電気メスで除去、止血の為に水酸化カルシュームを貼薬

治療2回目、その部分から排膿あり。

治療3回目 MTAセメントにて穴埋め 

2024 EEdental MY (2).jpg

かなり複雑な歯根吸収でした。

治療4回目根管充填

2024 EEdental MY (3).jpg 

4根管ちょっと複雑な根管でした。

 

治療後1年

2024 EEdental MY (5).jpg 

腫れや、痛み、膿などは出ていません。

 

治療後2年

2024 EEdental MY (6).jpg

2年予後まで見て、問題無さそうなので終診

 

 

先日他の歯を見て欲しいとのことで久しぶりに来院されたのでついでに左上も見せてもらいました。

2024 EEdental MY (7).jpg

親知らずがだいぶ伸びてきており、綺麗には生えているのですが、

長年汚れていた左上7遠心面には深い歯周ポケットが存在しています。

 

ただ、根管治療を行わせてもらった左上7は問題なさそう。

 

歯の外に出たMTAも12年の期間で吸収されています。

2024 EEdental MAY (8).jpg 

 

歯に穴が開くパターンは3つあり、

①治療による人為的なミスによるパーフォレーション

②自分の細胞(マクロファージ)による歯根吸収

③親知らず(歯)放出による隣在歯の歯根吸収

この3つがあり、特に③はレアですがたまにあります。

 

①、②、③、共通して言えることは歯に穴が開いた場合は早目の治療の方が細菌感染が軽度で歯の保存率は高い気がします。(私見)

  

今回のケース何とか10年以上持ってくれて良かったです!

更にもう10年持ってくれるといいのですが(^。^)

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