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問題無かった歯に根尖病変

今回の患者さんも以前から診察させて頂いている30代女性

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適合の良いジルコニアクラウンが入っており、根尖病変もない状態でした。 

 

2023年のレントゲン

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2017年にくらべると口蓋根に根尖病変っぽい透過像が出てきました。

*定期的に診させてもらっている患者さんでしたし、今介入の必要はないと判断していました。 

  

先日連絡があり、クラウンが外れたとのこと

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レントゲンを撮ると更に透過像が大きくなってきている為に患者さんに根管治療からやり直した方がいいと説明

 

治療回数は2回

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口蓋根にかなり深い場所までファイバーコアが入っていました。

またMB2も隠れた所から出てきました。

 

とりあえず、仮歯まで入れここから経過観察をしていきたいと思います。

 

今回MB2はハンドファイルなしでNi-Tiのみで穿通・形成しました。

最近MB2はこの方法で仕上げることが多くなってきています。

ただファイルの疲労が大きな方法になるので、使ったNi-Tiは廃棄になりコストのかかる方法ではありますが、この方法がラクで早い。従来の方法でやる時間の半分ぐらいなので、時間を買いその時間を消毒洗浄に回せ効率よく治療が行えます。

*ハンドファイル使うと、エンド三角が大きなMB2は根管上部にレッジを作りやすいのですが、Ni-Tiを使うことでエンド三角は簡単に削れていまい、早い段階で根管上部のストレートラインが作れます。  

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術後17年で起こった根尖病変

患者さんは私が開業してすぐぐらいから診させてもらっている40代の女性(当時は20代)

患歯は左下4、この歯は2008年に私がレジン充填した歯になります。

  

そこから4~5年おきぐらいに来てもらっており全顎検査で経過を見ていたのですが、

2025年のレントゲンで

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根尖病変が見られます。

 

あれ!?と思い過去のレントゲンでチェック

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2020年時は特に問題のあるような所見はありません。

全顎検査をしてもらっていると過去のレントゲンで経過をおえます。 

 

患者さんには神経が死んでしまっている為に根管治療が必要なことを説明し

1回法で根管治療をすることにしました。

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2mmぐらい穴を開けさせてもらってこの穴から根管治療

髄角とかの取り残しを防ぐためにはやはりこのぐらいの大きさのアクセスホールは必要になります。

治療時間1時間30分 

2025 EEdental KKA (5).jpg

根管治療+レジンコア+レジン充填

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たまに今回のように、勝手に神経が死んできてしまう歯はあります。

個人的には咬合性外傷のような気もしますが、はっきり原因は分かりません。

 

先に書いたように全顎検査で口の中のレントゲンデーターがあると、過去もふり返られますし急な痛みが出ても再初診で来る前に診断の手助けになります。

 

今回のケースまた半年後にレントゲンでチェックして行きたいと思います。 

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海外の患者さんの治療と日本の治療費

ありがたいことに海外からわざわざ治療しに来てもらっています。

  

先日メールがあり、現地(アメリカ)の歯科医院に行くと大きな虫歯があり、

神経を抜く必要が高いと神経保存出来てもクラウンになるとのこと 

レントゲンを送ってもらうと、かなり大きな虫歯が確認できました。

ただ症状は全くないとのこと

  

来院時のレントゲン

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かなり大きな虫歯が確認できます。

 

口腔内

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真ん中の歯に大きな虫歯がありますが、実際目で見ても全く虫歯のようには見えません。

*右下5は私が3年前にレジン充填を行いました。(その際はこのような大きな虫歯はなかったのですが・・・) 

症状のないことより患者さんに一度削って、覆髄出来そうなら神経保存を行うと説明

 

治療時間1時間30分

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0.1mmぐらい露髄しましたが、覆髄を行いレジン充填

*右下5の近心にも穴が開いておりレジン修復を行いました。

2025 EEdental HYU (4).jpg

  

メールでアメリカの治療費の詳細を見せてもらいましたが、

根管治療、レジンコア、セラミッククラウンで約40万弱

専門医でなくてもこのぐらいのコストがかかるようです。

 

先日歯チャンネルで、保険治療で大きなメタルコア除去が出来ないのか!?

みたいな質問ありましたが、治療費600円

除去バー1本200~300円を2本使って、麻酔もして・・・、はっきり言えば赤字 

これで、訴訟リスク抱えて行う行為がはたして正しいのか!?

  

ホント、保険治療費なんとかしないとどんどん抜いてインプラントという流れは無くならないと思います。

(安く治療が受けられるのは患者さん的にはありがたいと思いますが、安過ぎる治療費ではまともな治療は行えません)

 

今回の左下4の治療費

再初診代1万

覆髄代2.5万

レジン治療6.5万

大きく削らず、神経保存して、9万+Tax

個人的には神経保存ができるならこちらの方がベターだと思います。

海外の患者さんからすると治療費安い!? - EE DENTAL_Blog 

 

海外製品が主の日本では仕方がないんですが、もう材料費の値上げが当たり前のように続いております。

来年辺りにEEデンタルも治療費の改定を予定しております。 

税理士さんからの報告でも材料費が昔に比べ多くなってきているようなので、材料費の値上げ分を加味して考えたいと思います。 

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珍しく無くなった金属アレルギー

私が子どもの頃は花粉症などの言葉はありませんでしたが、今や時期になるとニュースでも花粉の飛散量などアナウンスがあります、

また食品アレルギーも増え、アレルギーというものが極々日常になってきてしまいました。

 

極端な話何の物質にもアレルギーは起りうるみたいな感じです。

 

思えば、金属アレルギーも私が歯科医師になった25年前に比べれば増えたなと感じます。

(昔なんか、イオン化傾向の小さい金、白金にはアレルギー出ないなど教えられましたが、今や金にも普通にアレルギーが出ています。。。)  

   

今回の患者さん60代女性、金属アレルギーがあるとのことでした。

主訴の部位の治療を終えた後に電話があり、銀歯が取れてしまったと連絡が、

口腔内

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虫歯も見られ、残っている歯は1/3ぐらい

レントゲン

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虫歯はありますが、まだ神経が死んだような所見は無い

  

ちょっと前に対合歯の左下7は歯根破折の為抜歯していたので、

「一度レジンで詰めてみましょうか!?」と提案

治療時間1時間30分 

2025 EEdental HOM (4).jpg

レントゲン

2025 EEdental HOM (3).jpg

神経部分が透けていたので、覆髄も行いました。 

  

この後、レジンが外れなければいいのですが・・・

外れてしまったらその時はセラミッククラウンにします。

 

個人的には金属アレルギーさえなければ金属は良い材料だと思いますが、

最近のトレンドは金属はなるべく使わない方向になってきていますが、かと言って良い材料出てきたか!?と言われれば微妙な材料ばかり・・・

誰かいい材料開発してくれませんかね、たぶん市場規模はかなり大きいので日本の中小企業辺りに頑張ってもらいたいです(・ω・)ノ 

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1年寝かした大きな虫歯

患者さんは50代男性

左上の外科的歯内療法を行いました。

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外科を行った場所も綺麗に治ってきてくれています。

  

その際に右上7に大きな虫歯があることは話していました。 

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今年に入り電話があり、治療したいとのこと

レントゲン上では、あれだけ大きな虫歯でいつ大きな痛みが出ても不思議ではなのですが

本人は痛みもなく自覚症状も一切ない。 

虚空内

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歯と歯の間に大きな虫歯がありますが、たぶん一般の方では全く分からないと思います。 

 

2025年に来院された際のレントゲン

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なんとなく少し大きくなったかな!?

この大きさだと神経を取ってもおかしくない大きさ・・・

 

患者さんに説明を行い、一度神経保存⇒大きな症状がでたら後で抜髄(神経を取る) 

2025 EEdental HIK (4).jpg 

覆髄を行いレジン充填で仕上げました。 

 

2025 EEdental HIK (5).jpg

この後は症状次第で、抜髄をするか決めて行きます。

  

口の中の疾患の多くは慢性疾患なので、1週間、2週間を争う必要は全くありませんが、

大きな虫歯に関しては半年以上開けると、神経を取るリスクが大きくなるので大きな虫歯に関しては早目に治療をした方がいいと個人的には思います。 

 

最近、大きな虫歯の保存治療を沢山していますが、ホント通常の虫歯治療に比べ大変です(>。<)

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開業当時に抜髄した歯の再根管治療

こちらの続き

開業して行った根管治療のやり直し - EE DENTAL_Blog

 

私が2008年に抜髄した歯に根尖病変が出来てしまいました。 

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14~15年問題無かった歯に根尖病変ができ、今予想できるのは黄色矢印からのコロナルリケージ(細菌進入) 

  

治療回数2回 

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根管充填+レジンコア+仮歯

 

経過観察

2025 EEdental OKK (3).jpg

根尖病変は綺麗に治ってきてくれています。

 

ここ10年で変えたのは、レジンコアのスタート位置を根管口内からにしたこと

赤線が昔のレジンコアスタート位置、黄色線が今のレジンコアスタート位置

これのメリットは①接着力の向上、②歯頚部付近からのコロナルリケージ対策 になります。

 

ようやくクラウンまで入りました。

2025 EEdental OKK (4).jpg

 1本の歯でも長期で持たせるには非常に大変です。

 

自分が思う予後因子は、患者さんの歯磨き能力、夜間の歯ぎしり含めた咬合力

この2つのコントロールをしない限り、人間が治した歯(人工物)などは長期にわたって安定しないと思っています。

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歯科保存専門医

現在、国が専門医制度を作っているようで、

歯科保存学会認定医・専門医、歯内療法学会専門医が対象で「歯科保存専門医」に移行していくようですが送られてくる情報がメールでの文字データーで何をどうすればいいのか!?が全く分かっていません。

このライセンスを取るにはまた講習を受けたり、テストを受けたりしていく必要はあるようなのですが、個人的にはぶっちゃけ、ライセンスはもういいかなと思っています(笑)

  

専門医というものがあれば、それだけで他の歯科医院とは違い先生は○○という分野が得意と標榜できますし、歯科医院経営をする為には大きな武器になります。

  

ただ残りの人生考えた時に70歳まで生きたとして、後20年

この仕事は頑張っても後15年ぐらい、また仕事人間ではないこと、仕事にこれ以上時間を奪われたくないという感じではあります。(仕事の情熱を下げないように週休3日でやっています)

この年齢になると、周りの人たちが亡くなっていくのを見ていてそう思うようになりました。

幸い今歯科医院経営はうまく行っており、残りの人生考えた時にわざわざ時間割いてライセンス取ることにどれほどの意味が!?とも思い始めています。

  

たまたま顕微鏡歯科学会の認定医更新の連絡が来て登録が

登録年月日:2010年1月30日

となっており偶然15年前   

歯科医師人生も後半戦というのをひしひし感じます。。。  

 

将来的には「歯内療法専門医」という表現も出来なくなるようなことは聞いています。

今回、保存学会と歯内療法学会が「歯科保存専門医」となる訳ですが保存専門医の先生の何割がマイクロ使って外科的歯内療法出来るんでしょうかね!?(笑)

私の勝手なイメージですが、保存の先生ってマイクロ(8~30倍)ではなくルーペ(3~5倍の拡大鏡)を主で使っている先生が多いイメージもあります。

逆に言えば外科的歯内療法などは顕微鏡学会の認定医の方が出来る先生多いんじゃないかな!?とも思います。

    

私が30代ならライセンスを取得しに行ったと思いますが、もう50歳ですからね

ライセンスへの興味も相当薄れていますし、来てもらった患者さんの歯1本ずつ丁寧に仕上げる方がよっぽど意味ある時間になるだろうと思います(>。<)

 

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インプラント前に出来る治療

患者さんは30代女性

2023年にセラミッククラウンを入れ、最近近所の歯科医院へ検診に行った際に

「右上の歯を抜いてインプラントにする必要がある」と説明を受けた。

現在痛みがある時、無い時がある、歯の奥の方が痛い感じ、1月ぐらいに歯茎にフィステルができ今もある。

  

レントゲン

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近心頬側根(MB)と口蓋根(P)に根尖病変が見られます。

CTを撮ったのですが、口蓋根の根尖病変は上顎洞に接しているのは分かるのですが、病変の大きさがはっきりしません。ただ病変はあります。 

セラミックアンレーが入っていますが、適合は良い為3mmの穴を開け根管治療をすることに 

 

治療1回目

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 人工物を全て除去、MB2が出てくる。

過去の治療で口蓋根の根尖はかなり削られていました。

根の先はあまり闇雲に削らない方がいいと思うんですが・・・

根尖を削れば治る、貼薬剤を入れれば治るという間違った理解 - EE DENTAL_Blog

 

治療2回目 

腫れ痛みはなく、フィステルも無くなった。とのこと

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口蓋根と近心頬側根にはMTAを使用

 

口蓋根はガッタパーチャーとMTAが出てしまっていますが、

出さないように治療しても、入口1つ出口も大きな状態なのでどうしても人工物が外に出てしまいます。

 

今回のセラミックアンレー適合が良かったのと、中の治療もきちんとやってあるように見えたので

セラミックは外さず3mmの穴から治療を行い、その部分はレジンで蓋を作りました。

2025 EEdental OMS (4).jpg 

 

この後経過観察を行っていきます。

何とか病変治ってくれるといいのですが(・ω・;

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歯を長く残したい患者さんへ「土台除去はリスク:大」

何度か書いていますが、個人的には

歯の治療で歯の寿命を縮めてしまう最大の因子は【歯科医師の治療】

 

「えっ、治す為に治療しているんじゃないの!?」 

と思われますが、違います。

歯の治療=歯の寿命を短くする になります。

 

虫歯の進行と言うのは個人差がありますが、歳を取れば取るほどゆっくりになります。

しかし、歯科医師の治療というのは虫歯が数年かけて進む距離を2~3秒程度で削ってしまいます。

 

特に歯を大きく削るのは根管治療後に入れた土台を除去する際

患者さんの中には、歯科医師が入れたものなんだからレゴブロックのように簡単に外れるようなイメージを持たれている方もいますが、外れないように入れた物ですから、外すのは全て削って壊しながら除去します。

 

全て顕微鏡下でチマチマ治療している先生なら、どこからが人工物でどこからが天然歯の見分けは付きやすいですが、それでも微妙に健康な歯は削ってしまいます。

*たまにいるのですが、顕微鏡治療を受ければ健康な歯は削らない的なことをいう方いますが、「それは無理だって! アロンアルファーでくっ付けたもの綺麗に外せますか!?」(笑) 

 

今回のケース

50代女性

歯周病健診で行った歯科医院で「根に膿がたまっている、今すぐ治療した方がよい」と言われ説明もないまま治療が始まり、クラウンとコアを外したら「抜くしかない」と宣告されショックを受けた。

全く症状も無かった歯だけに。。。

 

抜歯宣告をされて2か月後にEEデンタルへ

レントゲン

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土台は外しているようなのですが、近遠心根に根尖病変+根分岐部にパフォレーションの疑い 

  

ん~、経験上大きな痛みや腫れがない限りそんなに急いで治療する必要などはないと思うのですが・・・

根尖病変(膿)は慢性疾患であり、糖尿病や高血圧と同じように日に日に微妙に悪くなる病気です。

 

患者さんに残す方向で治療してみるか!?と話

治療スタート 

治療1回目

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パフォレーションが2か所あり、その部分の補修

裸眼で奥歯の土台を外すとこのリスクはかなり大きくなります。

*保険診療では仕方がないと思います、窓口負担200円程度でやる処置なのであまり時間はさけれません。(ホント治療費設定誤り過ぎだって!)

1本100万円の価値があるという歯を200円で治すって、ちょっと意味不明(100万円の軽自動車を200円で何直せますか!?と同じ) 

   

治療2回目

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腫れや痛みなどの症状もないことより根管充填+レジンコア+仮歯まで 

 

ここから経過観察をして行きます。

 

術後1年

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根尖病変は小さくなってきてくれていますが、根分木部の骨はあまり回復していません。

患者さんも仮歯で普通に生活出来ているとのことで、仮歯でもうしばらく様子をみることに

 

術後2年 

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根尖の透過像は小さくなったように見えますが、根分岐部の骨はあまり出来ていません。。。

 

経験上、根分岐部付近のパフォレーションは治すのが難しいです。

ただ、これって患者さんの不摂生で作ってしまった病気ではなく、治療で削り過ぎたことによる医原性の問題です。

 

今回のケース、問題無く2年使えており先日仮歯が割れてきてしまったので、そろそろ本歯に入れ替えをしようと思います。 

日本の医療システムは優秀だと思いますが、歯科に関して言えば安過ぎの為に起ってしまう問題でもあります。

物事には適正価格があると思うんですけどね。。。(>。<)

 

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根尖病変は切開では治りません。

根管治療を専門でやっていると初診の患者さんでたまにいるのが、

腫れて近医に行った際に切開を行って治療をしたのに治らないというケース

 

基本的に根尖病変由来で腫れた場合は、切開をしても治りません

腫れて膿んだ原因は歯の中の細菌感染であり、歯の中の細菌除去を行わないと何度も腫れを繰り返します。

つまり、「切開」は膿がかなり溜った際に膿を外に出し減圧を行い痛みを多少和らげるぐらいの応急処置の1つです。

 

では、なぜ原因除去である根管治療をせずに切開で済ませるのか!?

 

こういったケースの多くは、長いポストが入ったコアが入っており、根管治療がしにくい場合が多いです。

 

今回の患者さん

40代男性 7~8年前から痛みがあり近医で切開治療を行った際に膿んで骨が溶けていると言われた。

 

レントゲン

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 大きな根尖病変が見られ、案の定長いメタルポストが入っています。

ただ、歯根端切除などは行っておらず根尖は破壊されていません。

*たまに患者さんは切開と表現されても「歯根端切除術」という外科処置がされている場合があり、この場合の予後は悪いです。

 

患者さんに一通り説明して、まずは根管治療でトライしましょうとなりました。 

  

長いメタルポストですが、このぐらいの長さであれば歯内療法専門医であれば問題無く除去可能です。

2025EEdental URT (2).jpg

治療は2回法で行いました。

この歯神経管は2本でしたが1本しか治療しておらず、手づかずの神経管はドロドロに汚れていました。

歯の中からも細菌が作る独特の臭いが部屋に充満します。(綺麗にすれば臭いは殆ど取れますが、患者さんは自分の歯の臭いでビックリする人もいます。)  

 

術後痛みも腫れもなく経過しており

2025EEdental URT (3).jpg

レントゲンでもだいぶ病変は小さくなってくれています。

かかりつけでクラウンを入れてもらう予定で治療終了となりました。

  

今回のケースは手づかずの神経管に細菌感染が起こり、結果膿んできたと推測されます。

つまり切開をしても原因の除去を行っていないので、何度も腫れたり痛んだりを繰り返します。

  

今回のケース、先日電話があり

「先生に作ってもらった仮歯が割れた&隣の銀歯も取れた」

と連絡があり5年ぶりに来院してもらうと

 

2025EEdental URT (4).jpg

根尖病変は綺麗に治ってくれていました。

仮歯が6年も持ったのは初ではないでしょうか(笑)

 

患者さんに「本歯は先生やって!」と言われたので6年越しにセラミッククラウンを入れることになりました。

 

仮歯は入れてから1~2年後には本歯にしてくださいね( ・ω・ ;) 

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